さて、今日はNHKでやっているサイエンスゼロの話題から。
《惑星状星雲》
これは、惑星の末路を辿る際に、最後に表れる星々のこと。
いわば、惑星最後の灯火とも言えるものです。
非常に美しく、星というのは魅力的なものだと思えます。
ウイリアムハーシェルという科学者が、
天王星を発見したことをきっかけに、
この惑星状星雲を発見したというのです。
天王星に似ている星を見つけたのですが、
ピントを拡大していくと、他の星雲と違い、
ぼんやりとしか見えず、これは少し違う星雲だということに気付いたのです。
毎日、天文台で望遠鏡を覗きながら、観察する姿というのは、
いまの現代には想像できないことですね。
また、ハーシェルは、太陽光を構成する光は可視光線《虹色》以外にもあることを発見し、赤外線の発見にも貢献したそうです。
色のついた光以外にも目に見えない光もあることを発見するなんて、
とてもすごいですね。
さて、今回の惑星状星雲。
そもそもなぜ星がいろいろな色を発するのでしょうか?
それは、星の終わりに大量の紫外線を発する時に、
水素や酸素に当たり、エネルギーを吸収します。
すると、電子がエネルギーの高い部屋に移動します。
ですが、エネルギーが高いために、それを放出したがるのです。
《ぼくたちも内にエネルギーを秘めたままでいるよりは、それをすぐに発揮したいですよね》
すると、その時にエネルギーに応じた色の光を放つのです。
これは、炎色反応の原理とも同様な原理です。
まさに、花火の光が色づいているのも、これが原因なんですね。
いわば、植物の葉が落ちる前の紅葉のように、
星たちの一生の終焉には、わたしたち人間を魅了するという魅惑があるのです。
社会に潜む科学の話題を取り上げたブログ 学校の勉強って役に立つの? そんな、社会で起きていることと学校で学んだことが繋がるような話題を取り上げていきます 「疑問を持つことは人類最大の特権である」
2015年6月14日日曜日
2015年5月21日木曜日
【理科】一杯のジュースに隠れたサイエンス
こちらの写真は、とてもおいしそうなオレンジジュースですね。
そろそろ暑い季節の到来です。
今日は、この「一杯のジュース」に隠れたサイエンスをご紹介しましょう。
飲食店や喫茶店で出されるジュース。
何かが一緒についてくるのを覚えていますか?
そう、ストローです。
ストローは何に使うのでしょうか?
もちろん、「ジュースを飲むため」ですね。
では、どうやってジュースを飲むことができるのでしょうか?
大抵の人は、「そりゃ、吸ってるんだから飲めるに決まってるじゃん!!」
と言うことだと思います。
実は、ストローを吸う、という操作には、また一つのサイエンスが潜んでいるのです。
下の図1の通り、息を吸うとはじめはストローや口に溜まっている空気を肺へ吸い込まれます。すると、ストローの中や口の中は真空(空気がない状態)になるのです。
さて、なぜそれでジュースを吸い込むことができるのでしょうか?
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図1 ストローを吸うとき |
天気予報でお馴染みである「気圧」と言いますね。
気圧というのは「低気圧」とか「高気圧」とよく聞くことが多いですね。よく山に行くと気圧が低いと言いますね。例えば、ポテトチップスの袋をお家から富士山の山頂まで運んだらどうなるでしょうか?実はお家でみたときよりも膨らむのです。 これは、山は気圧が低いため、袋の中の空気の圧力のほうが大きいため(なぜなら、ポテチを地上で封をしているから)、袋は膨らむのですね。
これを、ストローの例に応用しましょう。先ほどのストローは、ストロー内の空気がなくなった気圧が低い状態です。ここで、ジュースの上側を空気のボールがたくさん押して力を与えています。
すると、ジュースはどこへ移動するかというと、ストローの中を上っていくしかなくなるのです。 人も同じで、道があるところにしか動けないですよね。ジュースも一緒です。これで、ようやくジュースが飲めるようになります(図2)。
ですから、ストローを二本コップに挿し、1本の先を空気に出して、もう1本の先だけをジュースに漬けておいた状態で2本のストローを同時に吸ってみてください。すると、全くジュースが吸えないはずです(口の中の空気がなくならないからですね)。
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図2 ジュースを飲むとき |
お店でストローを使ってジュースを速く飲むにはどうすればよいでしょうか?
…実は答えは…ありません。
なぜなら、空気が水面を押す力=気圧が一定(地上ではだいたい1014気圧) ですので、
どんなに息を吸おうが、ストローを上ってくるジュースの量は変わりません。
なんだか不思議ですよね。
今回は、一杯のジュースにまつわるお話でした。
自分の意思で行動しているように見えて、実は自然の力に操られている、
そんな自然の神秘を少しは見つけられたかな?
カフェに行ったら、ぜひ家族で試してみてください。
2015年5月18日月曜日
【数学】高校数学が使える身近な道路標識

さて、こんな道路標識を見たことはあるでしょうか?
どんなところにあるかは、何となく標識を見ればお分かりですね。
(分からなかったら、標識として失格ですねぇ笑)
この標識は「勾配」、つまり坂道の傾斜の緩急を一目で表した…(つもりの)標識です。
ですが、これを見て「どのくらい急なの?」ということをパッとイメージできる人は少ないと思います。
これでは標識として意味ないですよねぇ。
では、もっと坂道をイメージしやすい指標はなんでしょうか?
そう、坂の傾斜(「角度」)が分かるとイメージしやすいですよね。
実は、この標識を見ただけで、 この坂の傾斜が分かります!
どうやって傾斜が分かるのかというと、「高校数学」の知識を使うと、
あっという間にわかってしまいます。
そもそもここに書いてある10%というのは、
直線距離1000m進んだときに、100m高さが上がるか、という意味なのです。
イメージは下記の図の通り。
標識の10%というのは、1000m進んだときに何m高さが上がるか、その割合のことです。
この場合、100/1000=0.1=10%というわけです。
ここで知りたいのは、このときに何°の傾斜がついているかということです。
ここで、高校数学で学習する「三角比」というものが使えます。
三角比とは、下のようなある角度θの直角三角形のある1つの辺の長さともう1つの辺の長さの比のことです。たとえば、下の三角形の各辺の長さをa,b,cとおきます。すると、
c/bをsinθ、a/bをcosθ、c/aをtanθとおくと決められました。
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tanθ=0.1になるのはだいたい6°くらい |
なんと、このsinθ、cosθ、tanθというのは、角度θによって決まった値をとっていて、古代ギリシャ(歴史は紀元前にも及びます)で発見されました。つまり、この値が分かれば、斜面の角度が分かるよ、ということです。上表のようになります。
先ほどの傾斜が10%の坂を考えた場合、a=1000(m)、c=100(m)となるので、tanθはc/a=100/1000=0.1=10%となります。
「標識の10%はこのtanθ=10%=0.1であること」を示しているのです。
ですから、この値と同じになる角度θを調べれば、斜面の角度が分かります。
表で見ると、θ=6°となります。
というわけで、この標識のある斜面は6°の傾斜ということを示しているのですね!
イメージできるでしょうか?
ちなみに、日本で二番目に急な傾斜を登る鉄道が箱根登山鉄道で勾配が8%となっています(ということは、tanθ=0.8だから、5°くらい)。坂で有名な箱根駅伝の5区の最大勾配は13%(傾斜7.4°)ですから、普通にきつい坂だということがわかると思います。
結構急な割には、傾斜5°くらいなんですね〜。分度器だと大したことないですが、坂の世界ではものすごくきついです。
高校数学「三角比」は、こうした道路など建築物の計算によく使われています。紀元前からのピラミッドの測量術が現代にも生きているのですね。
今回は、高校数学(一年生)の内容を身近に応用できる話題でした。
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