2015年5月21日木曜日

【理科】一杯のジュースに隠れたサイエンス


さて、本日はジュースの話題です。
こちらの写真は、とてもおいしそうなオレンジジュースですね。
そろそろ暑い季節の到来です。

今日は、この「一杯のジュース」に隠れたサイエンスをご紹介しましょう。

飲食店や喫茶店で出されるジュース。
何かが一緒についてくるのを覚えていますか?
そう、ストローです。
ストローは何に使うのでしょうか?

もちろん、「ジュースを飲むため」ですね。

では、どうやってジュースを飲むことができるのでしょうか?

大抵の人は、「そりゃ、吸ってるんだから飲めるに決まってるじゃん!!」
と言うことだと思います。
 実は、ストローを吸う、という操作には、また一つのサイエンスが潜んでいるのです。

下の図1の通り、息を吸うとはじめはストローや口に溜まっている空気を肺へ吸い込まれます。すると、ストローの中や口の中は真空(空気がない状態)になるのです。
 さて、なぜそれでジュースを吸い込むことができるのでしょうか?

図1 ストローを吸うとき





私たちが住んでいる地球には、空気があります。空気は、酸素や窒素でできていて、目に見えない小さいボールがたくさんあると思ってください。走ると風が気持ちいいですよね?それは、体にこの空気(ボール)がたくさん当たっている証拠です。ということは、いろいろな物に「空気」は体当たりして力を与えています。これが、空気の圧力と呼ばれるものです。
 天気予報でお馴染みである「気圧」と言いますね。                 
気圧というのは「低気圧」とか「高気圧」とよく聞くことが多いですね。よく山に行くと気圧が低いと言いますね。例えば、ポテトチップスの袋をお家から富士山の山頂まで運んだらどうなるでしょうか?実はお家でみたときよりも膨らむのです。 これは、山は気圧が低いため、袋の中の空気の圧力のほうが大きいため(なぜなら、ポテチを地上で封をしているから)、袋は膨らむのですね。                          

これを、ストローの例に応用しましょう。先ほどのストローは、ストロー内の空気がなくなった気圧が低い状態です。ここで、ジュースの上側を空気のボールがたくさん押して力を与えています。

    
 すると、ジュースはどこへ移動するかというと、ストローの中を上っていくしかなくなるのです。 人も同じで、道があるところにしか動けないですよね。ジュースも一緒です。これで、ようやくジュースが飲めるようになります(図2)。
ですから、ストローを二本コップに挿し、1本の先を空気に出して、もう1本の先だけをジュースに漬けておいた状態で2本のストローを同時に吸ってみてください。すると、全くジュースが吸えないはずです(口の中の空気がなくならないからですね)。


図2 ジュースを飲むとき
 さて、ここで質問をします。
お店でストローを使ってジュースを速く飲むにはどうすればよいでしょうか?
…実は答えは…ありません。

なぜなら、空気が水面を押す力=気圧が一定(地上ではだいたい1014気圧) ですので、
どんなに息を吸おうが、ストローを上ってくるジュースの量は変わりません。
なんだか不思議ですよね。

今回は、一杯のジュースにまつわるお話でした。
自分の意思で行動しているように見えて、実は自然の力に操られている、
そんな自然の神秘を少しは見つけられたかな?

カフェに行ったら、ぜひ家族で試してみてください。





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